【電源構成レポート 2018年3月】FIT電気(太陽光)を100%にすることはできるの?

2018.4.24.

でんき,レポート

西野 哲生

西野 哲生 (需給管理)

 

こんにちは、自然電力の西野です。

電源構成レポートの第3回目です。今回は、2018年3月の電源構成比をお知らせするとともに、電源構成におけるFIT電気(太陽光)の割合について少し分析してみたいと思います。

※1「自然電力のでんき」がこのFIT電気を調達する費用の一部は、電気をご利用するすべての皆様から集めた再生可能エネルギー発電促進賦課金により賄われているため、費用負担や二酸化炭素排出係数の取り扱いが他の再生可能エネルギー源で発電した電気とは異なり、火力発電などを含めた全国平均の電気のCO2排出量をもった電気として取り扱われます。 ※2「その他」には以下の電気が含まれます。 (1)他社から調達している電気の一部で発電所が特定できないもの (2)一般送配電事業者からインバランス供給を受ける電気

■今月の電源構成

3月は、FIT電気(太陽光)が39%、JEPX(卸電力取引所)が46%、その他が15%となりました。2月は、FIT電気(太陽光)が36%でしたので、3%ポイント上昇しています。これは、日射量が増えるなどし、太陽光発電量が上昇したためと考えられます。また、その他が減少し、JEPXが上昇していますが、これは主に他社から調達している電気が減り、その分をJEPXで補ったことによります。

太陽光の割合は1月から3月にかけて増え続けていますが、ここから日照時間の増す夏に向け50%、60%となるかというと、残念ながらそこまで増えることはあまり期待できません。今回は、その理由と、どうすれば自然エネルギーの割合を増やしていけるかについて書きたいと思います。

 

■3月のある日の電源構成を細かくチェック

グラフ1: 3月11日の電気の調達状況(東京エリア)

上のグラフは、「自然電力のでんき」の3月11日の電気の調達状況(東京エリア)を時刻別にグラフにしたものです。

棒グラフが各時間の「自然電力のでんき」全ユーザーの消費電力量とその電源構成を表していて、オレンジが「FIT電気(太陽光)」から調達されている部分です。この日のFIT電気(太陽光)の割合は約35%。

このグラフからまず読み取れることは、

 

「太陽光発電で夜はカバーできない」

 

ということ。

従って、太陽光だけでFIT電気(太陽光)の割合を100%にすることはできません。
(ユーザーの皆さんが昼間しか電気を使わなければ、理論上は可能になるわけですが…)

グラフ2:3月9日の電気の調達状況(東京エリア)

次のグラフは3月9日のものです。3月11日のグラフと明らかに異なり「FIT電気(太陽光)」が占める割合はたった7.5%です。
この原因はもちろん「天気」。3月11日は晴れでしたが、3月9日は雨でした。

このように、FIT電気(太陽光)の割合は、当然のことながら天気にも大きく左右されます。例えば、これから迎える梅雨の季節は残念ながらFIT電気(太陽光)の割合は下がりそうです。

 

■FIT電気(太陽光)の調達量はどのように決めているか?

「じゃあ、夜は仕方がないにしても、雨の日の昼間はもっとFIT電気(太陽光)を購入すればいいのでは?」という声が聞こえてきそうです。

わたしたちがFIT電気(太陽光)を調達するとき、一定量ではなく、発電所単位であらかじめ決めて、調達する決まりになっています。

そのため、雨の日に発電量が少なかったからと言って、その時だけ追加で他の発電所から調達するということができないのです。

みなさんの電気使用量に応じて、太陽光発電所と契約を結んでいますが、「自然電力のでんき」では、「100%自然エネルギーの世界」を目指すべく、「夜も含めた総消費量」と「FIT電気(太陽光)の総調達量」がおおよそ同じになるようにすることを、調達量の一つの目安としてます。

 

■まとめ

このように、太陽光からの調達のみでFIT電気の割合を100%にしていくことは現状なかなか難しいことです。

自然エネルギーの割合を高めていくために、例えば以下のような取り組みが必要です。

 

〇電源の多様化(風力・小水力等の導入)
太陽光だけでは、夜間はカバーできず雨天時も出力・発電量が落ちるため、様々な電源をミックスすることが必要です。

自然電力では今年の2月に自然電力初となる風力発電所「唐津市湊風力発電所」が完工し、昨年12月には同じく初となる小水力発電所「小布施松川小水力発電所」の工事をスタートさせ、間もなく完成を迎えるなど、太陽光以外の多電源の開発にも励んでいます。

〇蓄電池の利用
ユーザーのみなさんの使用量にあわせて出力を調整することが難しい自然エネルギー。そんな自然エネルギーを最大限に活用するには、昼の余剰電力を貯めておき、発電量の少ない夜に使用するといった、蓄電池による「発電と消費の時間調整」が必要不可欠です。

〇エネルギーの使い方を考えてみる
「電気自動車の充電」「ヒートポンプ式給湯器」といった電力消費タイミングに一定の融通の幅があるものを、自然エネルギーの供給が需要を上回りやすい昼間に使用するなど、自然エネルギーの活用を意識して運用することで昼間の余剰電力を無駄にしないで済みます。一人ひとりがエネルギーの使い方を考えてみることも、自然エネルギーの発電所を増やすことと同じくらい大切です。

 

自然電力は、自然エネルギー100%の世界を目指し、自然エネルギー発電所の設置や電気の調達・販売だけでなく、これら様々な取り組みにもチャレンジしていきます。

以上、2018年3月の電源構成と、どうすれば自然エネルギーの割合を増やしていけるかでした。
また来月もお楽しみに!