【電源構成レポート 2018年5月】FIT電気(太陽光)の割合は「自然エネルギー100%の世界」に繋がってるの?

HATCH編集部staff

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こんにちは、HATCH編集部です。

電源構成レポートの第5回です。今回は、5月の電源構成比をお知らせするとともに、4月と5月の太陽光の割合が減っている理由を分析してみたいと思います。

※1「自然電力のでんき」がこのFIT電気を調達する費用の一部は、電気をご利用するすべての皆様から集めた再生可能エネルギー発電促進賦課金により賄われているため、費用負担や二酸化炭素排出係数の取り扱いが他の再生可能エネルギー源で発電した電気とは異なり、火力発電などを含めた全国平均の電気のCO2排出量をもった電気として取り扱われます。
※2「その他」には以下の電気が含まれます。
(1)他社から調達している電気の一部で発電所が特定できないもの
(2)一般送配電事業者からインバランス供給を受ける電気

 

5月は、太陽光が31%、卸電力取引所が42%、その他が17%となりました。4月と比べ、太陽光が5ポイント下落しています。「4月の電源構成レポート」でも触れたように、4月よりも5月の方が日射量は増えるはずなので、太陽光の割合も増えそうなものですが、増えていません。

この理由は、4月に説明したものと同じです。5月もありがたいことに多くの新規ユーザーの方にご登録をいただいたため、FIT電源(太陽光)の発電量そのものは増えましたが、「自然電力のでんき」で皆さんにお届けしている電気の内訳としては、比率が減ってしまったのです。

 

私たちは自然電力グループとして、自然エネルギー発電所を開発からEPC(設計・調達・建設)、O&M(運営・管理)まで行っています。これまで全国に累計約55カ所の太陽光発電所を設置し、そのうち、22件を自社で保有しています(※)。これらの電気は、各電力管内の大手電力会社(一般送配電事業者)にいったん売電する流れとなっており、その一部を、わたしたち小売事業者が「自然電力のでんき」として皆さんにお売りするためには、一般送配電事業者との個別の手続きが必要となります。自分たちが保有している発電所の電気だからといって、勝手に「自然電力のでんき」としてお送りすることはできないのです。

 

前回の電源構成レポート

「お客さまの電力使用量(需要)にあわせてFIT電気の割合(供給)を調整する必要がある」

ということをポイントとして挙げましたが、その部分についてもう少し詳しく述べます。

 

電気を安定的に利用するためには、「同時同量」という考え方が大切です。「同時同量」とは、以前、HATCHに掲載された東京大学・阿部先生の記事内でも説明がありましたが、「電気を送る側と受ける側が、同時に同じ量を送り、受け取る」ということです。

例えば、「自然電力のでんき」のFIT電気(太陽光)の割合を増やすために、わたしたちが予め、今よりも多くの保有発電所について、“「自然電力のでんき」で使う”という手続きを一般送配電事業者と済ませておいたとしましょう。そうすると、現在の「自然電力のでんき」の利用者数(需要)では、太陽光発電の発電量がピークとなる昼間には、その電力量をすべて使い切ることができず、多くの電力を余してしまうことになります。これでは、同時同量の原則が守れません。この「余剰の電力」は他の人たちに使ってもらう必要が出てきますが、それを引き取ってくれる先を探すのもまた大変なことですし、電力小売事業者として責任ある調達をしているとはいえません。

 

「自然エネルギー100%の世界」に向けて進む企業として、わたしたちは、「自然電力のでんき」のFIT電気(太陽光)の割合を増やすことに注力するだけでなく、いかに「同時同量」という電力需給の原則と、一方で、天候や時間帯などによって発電量が左右される自然エネルギーの特徴とを、うまく合わせ、活用していく方法を検討し、対応していく必要があると考えています。そのためにも、わたしたちが積極的に取り組んでいる自然エネルギーの多電源化(太陽光だけでなく、風力や小水力など、発電条件が異なる自然エネルギー電源を増やすこと)や蓄電池の技術革新を活かしていくことは欠かせません。

なお、4・5月の「自然電力のでんき」の利用者増を受けたFIT電気(太陽光)の供給量を増やす手続きは、6月分からは対応済です。梅雨の影響が大きく出なければ、皆さんがご利用する電気のFIT電気(太陽光)の割合は増えると思われます。「自然電力がつくった発電所の電気をもっと使いたい」と思ってくださる皆さんのニーズにこたえられるよう、一般送配電事業者との太陽光発電の契約容量もタイムリーに細かく調整できる方法を、今後も検討していきたいと思います。

 

※グループ保有とは、自然電力もしくはその関係会社が所有、または、特別目的会社を通じて出資している案件を指します