「誰もが、大きな自然に包まれたファミリー」 料理研究家・中島デコさんが語る、自然の力をいただく方法。

2017.12.27.

でんき,,人気,

高橋 歩(パートナー・ライター)

高橋 歩(パートナー・ライター)

海、空、風、雨、花、太陽、月、星空・・・
都会にいても、田舎にいても、
身のまわりの自然との付き合い方が、人生を変える。

この地球に溢れる、素晴らしい自然の力を、
自分のスタイルで、さらに、上手に楽しむために。

自然からパワーをもらうのが上手な人たちは、
日々の暮らしの中で、なにを見て、なにを感じているんだろう?
本物たちの声を聞いて、新しい「視線」を手に入れよう。

そんな想いで始まった、この連載。
高橋歩がナビゲーターになって、ナチュラル&パワフルに生きる、
楽しい友人たちを紹介していこうと想う。

 

Photo by Takuya Ogino

連載、第3回は、料理研究家の中島デコさん。
千葉県いすみ市で、「ブラウンズフィールド」と呼ばれる自然に囲まれたお家で暮らしながら、農園、宿、カフェ、ワークショップなどを運営している、肝っ玉母ちゃん。
デコさんとは、もう、10年を超える付き合いになるけど、たまに、デコさんに逢ったり、デコさんのお家に行ったりすると、慌ただしい暮らしの中で、知らないうちに忘れていた大切なことを、ふっと思い出させてくれる・・・そんな存在。
久しぶりに、ゆっくり話した会話の中から、印象的な言葉を、いくつか紹介させてもらったので、ゆっくり味わってみて欲しい。

 

20代の頃、ひとりの女性として、元気な子を産むには? って考えたとき、今の生活の中で、何がコントロールできるかなっていったら、やっぱり、食事かなって思ったの。
子どもっていうのは、母親である自分の食べた物で100パーセントできるでしょ。男の人は一瞬だけかもしれないけど、女の子って、自分が食べた物で子どもを作っていくっていう責任があるなって。やばい、これは食を正さないといけないと思って。そこから、マクロビオティックっていうものに、本格的に打ち込んでいったの。

 

マクロビオティックっていうのは、玄米菜食みたいなことって、受け取るのが一般的だよね。もちろん、そうも言うけど、今、私が大切だと想うのは、細かい食事法うんぬんよりも、バランスがとれてればいいじゃん、っていう感じかな。
陰と陽のバランスもそうだし、人間と自然とのバランスだったり、自分の中でも、精神と肉体のバランスとか、いろんなバランスがあるよね。
それがとれてれば、食べ方の細部にこだわんなくってもいいじゃんって。海のそばに住んでで、魚が採れるんだったら魚食えばいいじゃん。山に住んで、イノシシが引っかかっちゃうんだったら、それをさばいて食べるのもいいじゃんって。
でも、そればっかりじゃなくて、お野菜も育てて食べるとか、自分の住んでいる地域の中で、バランスをとれればいいよね。
いろんなバランスが、「ミクロ」じゃなく、「マクロ」な目で、引いた目で見れて、それでバランスがとれればいいねって。

 

私は、都会で生まれて、都会で育ったけど、田舎で暮らしたいなって想うようになったきっかけは、まずは、「食」からかな。
自然なものを食べて、自然なお産をして元気な子を産んで、自然の中で育てたいっていう、チャレンジだけど、そういうふうに暮らしていきたいって思って。そこが原動力になってるかな。
都会に暮らしながら、狭いお家の家賃を払ったり、値段も高くて新鮮じゃない食べ物を買うために、自分の時間を切り売りして働いて、結果、子供たちと遊べる時間も減っちゃって・・・っていう感じで生きていく中で、だんだんと、あれ? なんか違うかな? って思うようになってね。

 

食事も、医療も、出産も、子育ても・・・全部が似てるっていうか、全部が同じだなって思ってて。とにかく、人間が、科学が、余計なことをし過ぎてて。
余計なことをしちゃと、結局、ツケが回ってくるんじゃないかな。
もっと、シンプルに、気持ちよく、自然のままに過ごそうよ、って。
もちろん、すべてが自然のままに、ってわけにはいかないかもしれないけど、なるべく、昔のいいところとか、自然のままだった頃のいいところを見直して、日々の生活に取り入れていきたいよね。
食事はもちろん、生活の仕方も、出産の仕方も、お医者さんの使い方も、新しい西洋のものだけじゃなくて、古くから伝わる東洋的なものもあるわけだし、もっと、みんなが、いろいろな選択肢があることを知ったうえで、自由に、自分にあったスタイルを選べるようになったらいいな、って想う。

 

それぞれを、「切り離す」っていうのが、何か違うんじゃないかな。
例えば、病院でも、耳鼻科、眼科、内科とか、外科とか分かれてるけど、実際、本当は一つの人間なのに切り離さないでちょうだいよっていう感じ。
何かを整えれば全部が治っていくはずなわけ。
そういうのがマクロビオティックな考え方で。だとしたら、病院とか、小学校、中学校とか、老人ホームとか、障害者の施設とか、全部切り離すんじゃなくて。本当はファミリーでしょ、みんな。大きな自然に包まれたファミリー。
それが一緒に、ぐるぐる回って、過ごしていって、それで、みんながハッピーだったらいいんじゃないっていう。なんでも、分断しないでねっていう。
何かで勉強したわけじゃないから、うまく表現できないけど、そういう感覚が、いつも胸にあるの。

 

これからはどうするんですか? みたいなことを聞かれるけど、正直、別にこれからの人生を、そんなに思い描いてるわけではなくて。生きるだけで精いっぱいですよ、みたいな感じだけど。
ただ、この年になってくると、次の世代に何か渡していきたいし、いいものは引き継いでいきたいし、楽しんでもらいたいし、さらに、その次の世代、その次の世代って、繋がっていったら嬉しいな、って。
私の場合は、まずは、自分の足元から。
老若男女みんなで、太陽の下で、畑を耕して、種をまこう、みたいなところが、ストンと落ちるかな。
そこで得た、自分なりの体験や感覚を元に、グローバルな視点で、いろいろ勉強もしていってほしい。

 

やっばり、自然の力って、すごい。
自然に沿っていったら間違いないと思ってるから、感覚的に。
自然のエネルギーを頂くっていうのが、やっばり大事だよ。
農薬まいたり、添加物いっばい作ったりするのは、長い人間の歴史からいったら、ほんのほんの最近のことで。
地球を汚し始めて、人間も病気になって、自分たちで自分たちの首を絞めてるっていうのは、本当に、最近のことなんだよね。
新しいものばっかりじゃなくて、あえて、一度、昔にかえって、昔の生活、昔の食べ方、本来の人間の在り方っていうか、古代からの地球の在り方とか、そういうのを見つめ直していくと、もっと、人間として、気持ちよくて、元気になれる暮らしが見えてくるかなって想う。

 

Photo by Takuya Ogino

ふんわりした空気なんだけど、たまに、ズバッと刺してくる。
デコさんと話していると、いつも、そういう感覚があって。
今回も、新しいインスピレーションがたくさんもらえたけど、特に、
「人間は、余計なことをし過ぎ」
「切り離さないで、全体として見る」
そんな感覚が、今も胸に、じわーっと残っている。
デコさんからもらった、この感覚を、自分なりにかみ砕いて、これからのライフに生かしていきたい。

デコさんは、聞けば聞くほど、出てくる出てくるという感じで、いくら話しても、聞きたいことが溢れてきちゃって、今回も、紹介できたのは、もちろん、デコさんワールドのほんの一部。
これをきっかけに、ぜひ、デコさんの本を読んでみたり、千葉県いすみ市にあるデコさんのお家、カフェ、宿に遊びに行って、ナチュラル&パワフルな世界を、ゆっくりと楽しんでみてほしい。

高橋歩

【プロフィール】

中島デコ www.brownsfield-jp.com
写真家エバレット・ブラウンとともに千葉県いすみ市に田畑つき古民家スペース「ブラウンズフィールド」を設け、世界各国から集まる若者達とともに、持続可能な自給的生活をめざす。
週末カフェ「ライステラス」イベント宿泊スペース「慈慈の邸」ナチュラルストア「アサナ」をオープンする。国内外で、講演会やマクロビオティック料理講師として活躍中。料理本やエッセイ等、著書多数。

高橋歩  www.ayumu.ch
1972年東京生まれ。自由人。
20歳の時、映画「カクテル」に憧れ、大学を中退し、仲間とアメリカンバー「ROCKWELL’S」を開店。2年間で4店舗に広がる。
23歳の時、すべての店を仲間に譲り、プータローに。自伝を出すために、出版社「サンクチュアリ出版」を設立。自伝 『毎日が冒険』をはじめ、数々のベストセラーを世に送り出す。
26歳の時、愛する彼女・さやかと結婚。出版社を仲間に譲り、すべての肩書きをリセットし、再びプータローに。結婚式3日後から、妻とふたりで世界一周の旅へ。約2年間で、南極から北極まで世界数十ヶ国を放浪の末、帰国。
2001年、沖縄へ移住。音楽と冒険とアートの溢れる自給自足のネイチャービレッジ「ビーチロックビレッジ」を創り上げる。
同時に、作家活動 を続けながら、東京、ニューヨークにて、自らの出版社を設立したり、東京、福島、ニューヨーク、バリ島、インド、ジャマイカで、レストランバー&ゲストハウスを開店したり、インド、ジャマイカで、現地の貧しい子供たちのためのフリースクールを開校するなど、世界中で、ジャンルにとらわれない活動を展開。
2008年、結婚10周年を記念し、家族4人でキャンピングカーに乗り、世界一周の旅に出発。
2011年、東日本大震災を受けて、旅を一時中断。宮城県石巻市に入り、ボランティアビレッジを立ち上げ、2万人以上の人々を受け入れながら、復興支援活動を展開。現在も、石巻市・福島市を中心に、様々なプロジェクトを進行中。
2013年、約4年間に渡る家族での世界一周の旅を終え、ハワイ・ビッグアイランドへ拠点を移す。
現在、著作の累計部数は200万部を超え、英語圏諸国、韓国、台湾など、海外でも広く出版されている。

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