こんにちは、編集部です。
Voltage-今月のあの人-

このコーナーは、様々な活動をしされている方へのインタビューをお届けします。
今回は、今年度新卒で自然電力に入社した牧野佳歩さん(風力・水力・バイオマス事業部)に、自然電力のこと、入社前に行かれたアメリカへの卒業研修等についてインタビューしました!
編集部(以下、編):今日はよろしくお願いします!早速ですが、牧野さんの自己紹介をお願いできますでしょうか(早速過ぎてすみません・・・!)?
牧野さん(以下、牧):よろしくお願いします!大阪大学では政治学を専攻し、ゼミでは国際政治を学んでいました。オーケストラの部活ではコントラバスに打ち込んだり、旅行も好きでよく国内外出かけていました。特にオーストラリアは、自然と都市の融合が面白く、自由な雰囲気がとても好きで将来住みたいなと思っています。入社してから九州に住み始めたのですが、出張で国内を回ることもあり、それも今は楽しみの一つです。
編:なるほど、とてもアクティブなのですね!自然電力に入社されたきっかけは何だったのでしょうか?
牧:大学の学内説明会に自然電力グループが参加していて、人柄や事業内容・理念に惹かれました。もともとエネルギーに関心はあったのですが、現状の化石燃料に支えられている社会を変えていけるような、そんな世界にしていきたい、と思っていましたので、その中で再エネを軸に、確実に広げている自然電力にやりがいを感じられそうと思い入社しました。
編:自然電力では風力・水力・バイオマス事業部に配属ですが、今はどのようなことされていますか?
牧:風力部門にて、陸上風力の新規案件開発の初期段階を担当しています。風があるかどうかのリサーチや、規制の確認、目星を付けた土地の地権者様探しや、自治体へ相談、現地調査など、地道な仕事ですが、とても重要な仕事を任せてもらっています。
最近では、洋上風力にも携わり始めたりと、徐々に仕事の幅も増えるようになってきました。
編:なるほど、とても大事なお仕事ですね。もともと再エネの分野に携わりたいと思われていたということなのですが、実際にお仕事してみていかがですか?
牧:一番感じているのは、発電所を作るまでにとても時間がかかるということです。太陽光発電所に比べて、鳥への影響など、環境アセスメントが長期化することが多いこともプロジェクトの長期化の原因の一つなのですが、契約が進んでいる案件であっても、3~5年後の完工の案件だったり、作ったあとも20年運転していくなんて、とても気の遠くなるようなお話だなあと。
編:確かに、20年後はなかなか考えられないですよね・・・!
そういえば、入社前に卒業研修でアメリカに行かれたと伺いましたが、具体的にどんな研修をされたんでしょうか?
牧:コロナ前で運よく行くことができたのですが、ノースカロライナ州Duke大学のBilly Pizer先生(Duke大学公共政策学部教授)とPatino-Echeverri先生(Duke大学環境学部教授)にお会いし、アメリカの環境政策が再エネの普及にどれくらい効果を持っているか、について学んできました。
編:素晴らしい行動力ですね!その「環境政策が再エネの普及にどれくらい効果を持っているか」というのは、なぜ学びたいと思われたのでしょうか?
牧:最初にアプローチした高知工科大学の先生が、将来世代と現代世代のバーチャルな対話から政策を考える研究をされていて、以前から興味がありメールしたことがきっかけでした。お話を伺う中で、私が政治制度を用いて社会を変革することに興味があることや、自然電力へ内定していることをお伝えすると、環境政策について研究されているDuke大学の先生方をご紹介くださり、日本以外の国での事例をもっと学びたいという思いが湧き、アメリカに行くことを決めました。
編:なるほど。実際に先生方からのお話はどのようなものでしたか?
牧:とても興味深い内容でした。まず、アメリカでは、環境政策のような対象物のスケールが大きいものであっても州単位でみるべきで、基本的に州政府の方が連邦政府より環境政策には積極的です。
カリフォルニアなど再エネの普及に積極的な州もありますが、Duke大学のあるノースカロライナ州では、日本同様、ポテンシャルの割には普及が進んでいないという現状があり、特に陸上風力は開発規制が多く、洋上風力は風況の悪さや住民の反対により進んでいないそうです。
編:州により普及の度合は様々なんですね。
牧:はい。近年州で再エネが普及し始めたのは、RPS法(Renewables Portfolio Standardの略で、再生可能エネルギー特別措置法。電気事業者に 対して、一定量以上の新エネルギー等を利用して得られる電気の利用を義務付けることにより、新エネルギー等の利用を 推進していくための法律)が施行されたためでした。
制度的な後押しもあり、また昔石炭による公害で悩まされていたので、州の住民も化石燃料よりはクリーンエネルギーの方がいいとは思っているそうです。ですが、州内で政治的分断があるため、たとえ環境政策だけでも結束して進めるのは不可能という現実がありました。
とはいえ、実際に街や大学では、大学の学内移動バス(とても広いので、学生はバスで構内を移動するそうです・・!)はバイオ燃料で走っていて、食堂の残飯はコンポストに入れられていましたし、学外では、太陽光の力をふんだんに使ったオフグリッドの家も見ることができました。
日本と比べて、進んでいないとはいえ、ノースカロライナ州の方が環境問題に対する取り組みが多様で身近だなというふうには感じました。また、オフグリッドの家では、ただ電気代が安くなるだけではなく、再エネが快適で、かつそれが当たり前の状態になっていました。今後の再エネのあるべき姿を見たように思いました。
編:実際に体感してみないと、そういった空気感はわからないですよね。
今の自然電力のお仕事において、生かせそうなことはありましたか?
牧:そうですね。やはり自然電力で働いていると、有名企業との提携やヨーロッパの最先端の情報などが飛び交い、世界が再エネ普及に向かっている、という感覚を持ちますが、今回、まだまだ気候変動に対してやるべきことが膨大であると感じました。この現状が、自分の仕事を進めるうえでのモチベーションになっています。
また、担当している国内の陸上風力では、発電所は山奥など、人が少ないところに建てられるのですが、環境負荷をかけないことの価値を、もっと身近に感じていただけるような取り組みもしていきたいと今回の研修で感じましたし、将来的には、再エネ業界に包括的にインパクトを与えられる政策提言などをできたらと考えています。
編:再エネ業界全体を巻き込んでいく意欲、とても勉強になります!今日はありがとうございました!とてもフレッシュな気持ちになりました!これからもお仕事頑張ってください!